クラウド上で開発が可能!
ITインフラや、開発プラットフォームなどの必要な機能を自由に組み合わせ、すべてのサービスをクラウド上で展開している「Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)」というサービスがあります。
サーバーなどの設備を必要としないため、インターネット経由でコンピュータさえあればどこでも利用可能です。
また、サーバー購入費やデータセンター利用費などが必要ないため、コストダウンも望めるでしょう。
コカ・コーラやAdobe・トヨタ自動車・富士通など、世界や日本の一流企業も利用しているクラウドサービスになります。
今回は、その「Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)」について使い方や特徴をご紹介します。
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Contents
Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)とは?
Microsoft Azureとは、マイクロソフト社が提供するクラウドプラットフォームです。
2008年10月にマイクロソフト社のデベロッパーカンファレンスで発表され、2010年10月に「Windows Azure」としてサービスを開始しました。
膨大なサーバーが設置された世界55拠点に展開しているデータセンター、強力なWANバックボーンを持つ設備を、クラウドプラットフォームとしてユーザーにサービス提供しています。
Microsoft Azureが提供するプラットフォームには、一般的に「IaaS」と「PaaS」と呼ばれる2種類があり、この2つはクラウドサービスの提供者(マイクロソフト社)と利用者(お客様)で管理する範囲が異なってきます。
<IaaSとは?>
IaaSとは、仮想マシンをクラウド上にインターネット経由で作成し利用するサービスで、Infrastructure as a Service の略です。
仮想化レイヤーより下の管理は、クラウドサービスの提供者(マイクロソフト社)が責任をもって実施し、仮想マシンのOSより上の管理は、利用者(お客様)が責任をもって実施します。
<PaaSとは?>
PaaSとはPlatform as a Serviceの略です。
仮想マシンのOSも、クラウドサービスの提供者(マイクロソフト社)が責任をもって管理します。
PaaSで構成できるシステムは、クラウドサービスの提供者が提供するPaaSの機能(種類)次第です。
Microsoft Azureでできることとは?
Azureでは、ITインフラ(サーバーやネットワークなど)をクラウド上で提供しています。
ITインフラ以外にも、人工知能の機械学習・データ分析、IoTやブロックチェーンなどといった多様な開発業務を、クラウド上で行うためのプラットフォームも提供しています。
- Azure AI
- DevOpsサービス
- Azure Active Directory
- Storageサービス
- Webサービス
- コンピューティングサービス
- セキュリティサービス
Azure AI
会話形のAIや機械学習などのカスタマイズが可能な最新のAIツールです。
Azure AIを大きく分けると「機械学習(Machine Learning)」「ナレッジマイニング」「AIアプリとエージェント」の3つになります。
下記のサービスを利用することで、トレーニング・デプロイ・膨大なドキュメントやイメージの分析、ボットサービス作成や機械学習モデルの構築などが簡単に行えます。
- Azure Machine Learning
- Azure Databricks
- ONNX
- Azure Search
- Form recognizer
- Cognitive Services
- Azure Bot Service
DevOpsサービス
開発と運用を効率的に行うためのプラットフォーム・サービス群です。
ソフトウェア開発を効率的かつ迅速に強力サポートします。
AzureのDevOpsサービスには、下記のサービスが含まれています。
- Azure DevOps
- Azure Pipelines
- Azure Boards
- Azure Artifacts
- Azure Repos
- Azure Test Plans
- Azure Monitor
Azure Active Directory
Active Directoryとは、Microsoft社により開発されたコンピュータ管理の仕組みになります。
包括的なIDの保護ができ安全性の高いアクセスが可能なプラットフォームです。
開発ツールを利用したIDにシングルサインオンなど、アプリやサービスの統合などが実現できます。
オンプレミスの環境でも利用されることが多いため、クラウドサービスとの混合環境でも安全性を確保しています。
Storageサービス
Storageサービスは、仮想マシンに必要なストレージの確保や、データ移行の際に利用することが可能で「仮想マシンのためのストレージを確保したい」
「安全性の高いクラウド上のファイル共有が欲しい」「仮想マシンのバックアップを取りたい」といったような、ユーザーのニーズに応える下記のサービスが提供されています。
- Azure Backup
- Avere vFXT for Azure
- Managed Disks
- File Storage
- Disk Storage
Webサービス
Webアプリケーションを効率的に開発し、さらにスケーリングすることができるサービス群です。
下記のような検索サービスやクラウドアプリを作成するためのサービスを提供しています。
- App Service
- Azure Maps
- Content Delivery Network
- Azure Search
- Web Apps
- API Apps
コンピューティングサービス
アプリのコンテナ化や、仮想マシンのプロビジョニングを行うためのサービス群がコンピューティングサービスです。
必要に応じて仮想マシンをスケーリング可能です。
- Azure Kubernetes Service
- Container Instances
- Virtual Machines
- Azure Service Fabric
- Azure Functions
- Batch
コンピューティングサービスには上記のサービスが含まれています。
セキュリティサービス
いち早く分析や調査をすることで、ぜい弱性を発見したり万が一攻撃を受けた際も迅速に対応したりすることができるサービス群です。
サイバー攻撃対策やセキュリティ管理を統合するため下記のサービスが提供されています。
- Security Center
- Azure Information Protection
- Key Vault
- VPN Gateway
- Application Gateway
- Azure DDoS Protection
Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)の特徴
Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)には下記の5つの特徴があります。
- 強大なネットワークを全世界で使える
- オンプレミスと連携できる
- セキュリティ対策が万全
- Windows系のオンプレミスサーバーとの親和性が高い
- 日本円での支払いが可能
それぞれの特徴について解説しますので参考にしてください。
強大なネットワークを全世界で使える
Microsoft(マイクロソフト)社が保有するバックボーンネットワークは、世界でトップ3に入る長さです。
Microsoft(マイクロソフト)社は世界に55か所、140か国で利用可能なAzureデータセンターを所有し「リージョン」とよばれています。
リージョン間が、Microsoft(マイクロソフト)の大きなバックボーンネットワークを通じて行われることがAzureの特徴で、VDIの環境やグローバルなサービス展開で大きな効果を発揮するでしょう。
さらに、Microsoft(マイクロソフト)バックボーンネットワークは、Microsoft 365へのアクセス時にも利用できますので、VDI on Azureとの親和性が高く、ファイルのサイズが大きくても高速アクセスが可能です。
オンプレミスと連携できる
AzureについてMicrosoft(マイクロソフト)社は「Trusted」「Global」「Hybrid」をメッセージとしているように、様々な点でハイブリットクラウドの実現に最適になります。
セキュリティ対策が万全
Azureはネットワークセキュリティ・コンプライアンス対策がとられています。
脅威については、データセンターの外だけではありません。
例えば、悪意のあるオペレーション(内側)によっても発生する可能性があります。
Azureデータセンターが、入館者の制限や多層のセキュリティゲート加え、自動化による作業の削減など多くの対策が取られています。
データセンターの外や内から想定される脅威に対して、常に対策したうえでアップデートし続けるというのは、オンプレミス環境の場合なかなかハードルが高くなるのですが、Azureであればそういった環境もクリックだけで利用できるのが大きなメリットになります。
Windows系のオンプレミスサーバーとの親和性が高い
Microsoft(マイクロソフト)社はIT業界でとても影響力を持っています。
パソコン以外にオンプレミスサーバーのなかにも、Windowsを採用しているサーバーは多いです。
そのため、Windows系のオンプレミスサーバーとの相性がよいことも、メリットとして挙げられます。
新たな機能を次々と追加しているAzureは、オープンソースソフトウェア(OSS)との親和性が高いため、ビジネス展開が柔軟にできるのも魅力でしょう。
例えばですが、Azureでビックデータの保存やクラウドで予測したり「カメラ+画像認識」を採用したりすることで、データ化もしやすくなります。
日本円での支払いが可能
Microsoft(マイクロソフト)の本社はアメリカにありますが、Azureの毎月の使用料は日本円で支払えます。
米ドルベースだと為替の影響を受ける可能性があるため、日本円で支払えることは大きなメリットでしょう。
さらに、日本のAzureデータセンターを利用するさいには、日本の法律が適用されるため、日本企業に優しいことも魅力です。
Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)の料金プラン
Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)は、分単位の従量課金制になりますが、GCPやAWSと同じく長期契約の場合は割引もあります。
また、Azureでは企業利用を想定した料金体系や、エンタープライズ向けの割引もあります。
詳しくは、Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)のサイトで料金シュミレーションができるので、一度シュミレーションしてみてください。
Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)の使い方
実際にMicrosoft Azure(マイクロソフトアジュール)を利用するためには、以下の3つのステップで実行します。
最初に本人確認のため、クレジットカードと電話番号が必要なので準備しておきましょう。
登録するだけなら費用は発生しませんのでご安心ください。
- 1.Microsoft(マイクロソフト)アカウントを用意する
- 2.Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)にサインインしてAzure(アジュール)アカウントを作成する
- 3.Azure(アジュール)の管理用ポータルサイトへサインインする
なお、無料アカウントでも30日間で22,500円分のサービスを利用できます。
まとめ
Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)は、仮想マシンや機械学習ツールなど、多様なサービスがインターネット経由で利用可能です。
まずは上記の方法でAzureの無料アカウントを作り、一度試してみてはいかがでしょうか。
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(編集:創業手帳編集部)