セールスエンゲージメントツールで変わる日本のリモートワーク
みなさんは「Srush」をご存じでしょうか?近年では、CRMやSFAなど様々なツールが登場していますが、Srushは営業の本質にも繋がる「セールスエンゲージメントツール」です。
大企業での営業や、1度目の起業を行いながらも、顧客との関わり方に疑問を感じていた過去を持ち、その経験からSrushを立ち上げた、代表取締役樋口海氏。
海外では人気がありながらも、日本ではまだ未開拓な「セールスエンゲージメント市場」を広めるため”二度目の起業”を成し遂げ、セールスエンゲージメントツール「Srush」を生み出しています。
これからの営業市場に新しい風を吹かせる起業家に「リモートワークで広がる営業」や「リモートワークで変わる今後の営業」などについて、創業手帳代表の大久保が聞きました。
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(2021/03/15更新)
Contents
樋口海(ひぐち かい)株式会社Srush 代表取締役
早稲田大学教育学部卒。一橋大学大学院商学研究科を修了(MBA)。
NTTの法人営業部門にて大手自動車のグローバルインフラ事業に携わり全社表彰や最高評価を受賞。その後、シンガポールの日系製造業にて営業戦略を担当し、帰国後に製造業向け会計ソフトウェアを提供する会社を立上げる。10年の法人営業経験から「営業の在り方」や「営業の課題」を解決するため、人間関係の構築を大切にする株式会社Srushを2019年11月に創業。「一番に相談される信頼関係づくり」ができるセールスエンゲージメントツールを提供している。
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計150万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。
営業の本質に近づくセールスエンゲージメントツール「Srush」とは何か
樋口:セールスエンゲージメントツールというのは「顧客管理」が目的のサービスです。
セールスフォースなど有名なSFA/CRMがありますが、セールスフォースは「案件管理」を目的としたツールです。一方でSrushは「顧客との信頼関係」の構築を目指しているので、そもそもの目的が違います。
日本ではまだあまり普及していませんが、海外ではセールスフォースとセールスエンゲージメントツールをセットで使っている会社が多いです。
セットで使うことによって、顧客の反応・リアクションをデータ化し、営業マンの個人的な肌感に頼らない、リアルタイム性のある受注を挙げていくことが可能です。
受注するためにはどのように動けばいいのか、「タイミング」「リソース」「アクション」を営業マンに提供して、売上に繋げていくツールになります。
樋口:海外でセールスエンゲージメントツールが普及している理由は、企業と企業の距離が日本と比べて物理的に離れているところにあると思います。
例えば、アメリカではワシントンやニューヨークなど、離れた場所での取引・連絡を行っているので、いかに効率的に顧客との関係を可視化し、築いていくかが重要となっています。
一方、日本は海外とは違って、企業は東京などの都市部に密集しています。
営業マンは取引先にすぐ出向けるため、ツールでの「顧客管理」を行う文化がありませんでした。
しかし、今回日本でも、新型コロナウイルスの影響でそう簡単には顧客の顔が見られなくなったことで、顧客関係の可視化ができる「セールスエンゲージメントツール」が注目を集めています。
樋口:あらゆる業界・業種で使えるツールですが、特に広告や人材系の企業から問合せが増えていますね。
直接、営業マンが取引先に足を運んでの営業を行いづらい状況になっているため、営業が売って利益を出すような企業からの問合せが多いです。
リモートワークとSrush
樋口:以前と比べて顧客と直接顔を合わせて会いづらい環境になっているので、より人間関係の構築が大切になると思います。
セールスフォースも言っているのですが、今の営業は、「いかに顧客との関係性を深める営業が出来るか」という形に変化しています。
先ほども触れましたが、海外では物理的に離れた環境でのやり取りになるため、リモートワークのスタイルが普及しているものの、日本では電車に乗ると直接取引先に足を運べるような状態なので、普及がかなり遅いです。
しかし、今回新型コロナウイルス感染症の影響もあり、リモートワークを導入する企業が増えているため、営業の原点でもある「顧客との関係性」を作りあげることが重要視されてきています。
「Srush」は、こうした世の中の変化に対応していく上でとても便利に使えるツールである、と言えます。
樋口:確かに営業マンが今後いなくなるという話はよく耳にしますよね。
しかし、個人的には営業はゼロにはならないと思います。
現状としては、営業の人数は確実に減ってはいますが、結局、営業の最後のところは人と人との関係性が重要になってくるので、そこはAIやツールでは代替することのできない部分といえるでしょう。
将来的には、SFAやCRM、セールスエンゲージメントツールといったITツールを上手に使いこなせる優秀な営業マンは、充分生き残っていくことができると考えています。
逆に、従来までのような、直接足を使って顧客に会いに行き、そこで得た個人的な肌感で営業をしていたような営業マンは、オンラインの時代にはまず淘汰されていくと思います。
さらに言えば、営業マンでも営業だけに集中している人は淘汰されると思いますが、「顧客の担当」という意識を持ち、カスタマーサービスなどに手を広げていく営業マンは強いです。
様々なツールを使いこなせる柔軟性に優れた営業マン、顧客に応じて複雑な対応ができる優秀な営業マンが、将来的に価値を発揮して残るのではないでしょうか。
新しい働き方・フルリモートを実施
樋口:現在役員を入れて正社員は5名で運営しています。
三井物産の出身の営業マンや、フランス人のエンジニアなど、バラエティに富んだ人たちが正社員でいます。
残りは10名前後ですが全員副業です。
日本ではまだ目新しいと思いますが、フルリモートで会社を運営していて、全員が満足度が高い状態で働いています。
樋口:私は東京ですが、九州地方など地方在住者も多数いますね。
マーケターやエンジニアは東京に偏っていますが、デザイナーは地方が多いです。
例えばエンジニアだと、最新の情報や技術は東京に集まりがちなので、必然的に東京在住者が多くなり、地方在住者はまだ少ない状況です。
地方にも良い人材はたくさんいるので、そういった人たちを採用できるのがフルリモートの良いところの1つでもありますね。
樋口:経験をしてわかったのですが、フリーランスや副業者などは作業単位での切り分けを行ってしまう傾向があります。
作業単位での切り分けを行って、自由な働き方で作業をすることは良いことでもあるのですが、結果、作業すべての質がそれぞれ下がってしまい、繋がりがない状態になってしまったということが当初ありました。
今は、「これをやることの意味」や「なぜこれをやっているか」、「これをやるにあたり、あなたである必要性」などのすり合わせをお互いに行った上で、仕事を持たせています。
樋口:正社員や副業・フリーランスなども分け隔てなく、同じようなスタンスで情報共有をしています。
結局は働き方が違うだけなので、我々から提供することは同じであるべきかなと思います。
最初は、正社員と副業・フリーランスで情報共有の内容を分けていたのですが、働き方が違うからといって仕事の内容は全然変わらないし、分けることによって誰も得しないなと感じて、今のように背景などを含めた情報共有を全体で行うようにしました。
樋口:情報共有のツールとしてNotion(ノーション)は使ってみて良かったです。
Notion(ノーション)はナレッジ蓄積ツール・タスク管理ツールで、一個に情報を集約しておくことで「誰が何をやればいいのか」「この顧客に対しては何をやっているのか」など、目的や意義がわかるようになっています。
社員全員が、今やっている仕事の全体の背景をしっかりと把握できるように、その都度キックオフやオンオーワンを行って全体共有をし、全員が同じ方向に向かって仕事ができるような仕組みづくりを行っています。
樋口:最初から正社員で雇っていくなど、今までの働き方では通用しないと思っています。
現場で行っていることが実際にリモートワークで出来るかとなると、それはまた別問題になってきます。
今後社内でリモートワークの導入を考えている場合は、まずはリモートワークが出来る人、経験がある人の雇用を行うのがおすすめです。
実際に弊社でも、マーケティング担当の中に、リモートワークマネジメントを経験してきた人がいます。そのような実務経験のある人を雇用したり、相談したりすると、リモートワークに合った人材選び・環境構築ができます。
働き方改革の影響もあり、リモートワーク業界に参入する企業が増えている状態ですが、樋口様が語るように、顧客と会う機会が減少したからこそ、人間関係をいかに構築していくかがとても重要になってきたといえます。
リモートワークに力を入れようと考えている企業は、ぜひSrushの利用を検討してみてください。
「リモートワーク手帳(無料)」 では、リモートワーク環境で役立つツールや改善ノウハウ、使える制度などを解説しています。仕事のオンライン化に対応するために、ぜひご活用ください。
(取材協力:株式会社Srush/代表取締役 樋口海)
(編集:創業手帳編集部)