国内外をまたにかけるエリート創業者が本気で「働き方改革」に着手

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、日本でもリモートワークの導入を実施している企業が増えています。

実際にリモートワークを取り入れる場合、どのツールを利用するべきなのか迷ってしまう企業も多いのではないでしょうか。

リモートワークツールとして多くの企業から注目を集めているのが仮想オフィスサービスの「oVice」です。

新感覚コミュニケーションツール「oVice」を1年弱で作り上げた起業家ジョン セーヒョンさんに、リモートワークによって今後どのように変わっていくのか、開発秘話とあわせて起業エピソードをうかがいました。

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事業承継手帳

(2021/03/16更新)

ジョン セーヒョンoVice株式会社 代表取締役
1991年の韓国生まれ、オーストラリアや日本での留学経験があり、大学在学中に起業。
貿易仲介事業や越境関連IT事業を行う。複数のベンチャーキャピタルから資金調達を行い、2017年、東証一部上場企業に会社を売却。2019年からはAI・ブロックチェーン・RPAなど、先端のIT技術のコンサルティングを行い、2020年において新たな技術を創造するための「NIMARU TECHNOLOGY」(現oVice社)を設立。新型コロナウイルスの流行によってアフリカで足止めされたことをきっかけに、oViceの開発を始める。創業手帳でもカンボジアにあるキリロム工科大学で紹介を受け、朝礼や会議時にoViceを利用中。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計100万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。

新しいコミュニケーションツール「oVice」とは何か

ーまず、コミュニケーションツール「oVice」について教えていただいてもよろしいでしょうか。

ジョン:「oVice」は現実空間にあるオフィスをイメージしたオンラインコミュニケーションツールです。

従来のコミュニティツールと同様にアカウントごとにアバターが設定され、自身のアバターを話したい人物のアバターに近づけることで会話できるようになるツールになります。

実際に現場にいるようなコミュニケーションを取れるのが特徴です。

ーoViceは創業手帳の社内でも利用させていただいていますが、とても便利ですよね。

IT人材育成施設で有名な「キリロム工科大学」の猪塚大学長からの紹介がきっかけでoViceを導入してみました。

自由に話ができるのと、弊社は朝礼でのディスカッションが多いため、大変役立っています。

ジョン:キリロム工科大学さんから話を聞いて使ってくださっているのですね。ありがとうございます。

住んでいる地域の利点も活かす!リモートワークの導入時の注意点

ーフルリモートの会社とおうかがいしましたが、皆さんは近くに住んでいらっしゃるのですか?

ジョン:私は石川県に住んでいますが、皆バラバラですね。

さらに新型コロナウイルスの影響もあって、他のメンバーと会うことは少なくなっています。

ー石川に住んでいるのは、何か理由があるのですか?

ジョン:石川の景色が気に入ったというのもあるのですが、オフライン環境での仕事は極力したくないんですよね。

私が東京にいると会社に呼ばれやすくなります。

しかし石川にいることでわざわざ足を運ぶのは大変だと判断してもらえるので、oViceを活用して話し合いができるんです。

oViceはオンライン上でやり取りができるツールになりますので、ぜひ皆さんに使用していただきたいと考えています。

ー他の従業員の方は、どの辺りに住んでいらっしゃるのですか?

ジョン:具体的に挙げると京都や大阪、スウェーデンなどかなり離れていますね。

ーなるほど、海外の方もいらっしゃるのですね。貴社でもリモートワークを導入されていると思うのですが、リモートワークを行う上での注意点は何ですか?

ジョン:oViceは現実世界とあまりかけ離れないよう意識して開発したのですが、トップダウンで導入している企業はリモートワークで失敗している傾向にあります。

なぜかというと、トップダウンでリモートワークを導入してしまった場合は、アクセスしている間は先輩や社長から「話しかけられるかもしれない」=「監視されている」という認識を持ちやすいからです。

「監視されている状態」というのは多くの従業員が嫌がるものなので、自然とアクセスしないようになります。

当然、アクセスしてもらえないと意味がないので、リモートワークの導入に失敗してしまうのです。

ー確かに監視されるのはあまり好ましく感じない人がほとんどですよね。

ジョン:一方、リモートワークを導入して成功をしているのが、ボトムアップの形でリモートワークを導入している企業です。

一般の社員がコミュニケーションの問題を感じている中、コミュニケーションツールを利用したりリモートワークスタイルを次々と広げていくことで面白さを感じ、社内で本格的に導入する企業もあります。

ーコミュニケーションツールを利用することで、リモートワークやITツールの良さを広めていくわけですね。

ジョン:はい。リモートワークの注意点は先ほども挙げたように、コミュニケーション問題を解消するために導入するケースが多いですが、強制をしてしまうと使わなくなる人が出てきます。

ただし、まったく強制力がない場合も使用しない人が多くなるため、バランスを取りながらリモートワークの導入を進めるのがおすすめです。

リモートワークは続くのか?定着のさせ方

ーリモートワークを導入している企業が増えていますが、今後リモートワークという働き方はどのようになると考えていますか?

ジョン:oViceはこれまでに2,500件程度利用されているのですが、oViceユーザーの人に「今後のリモートワークが続きますか」とヒアリングしていったところ「続く」という回答が最も多かったです。

なぜリモートワークが続くのかという理由を尋ねてみたところ、「テレワークが上手く回っているのに、その制度をなくすのがもったいない」という声がありました。

リモートワークを導入することによって生産性が上がっている企業もあるようです。

今後は爆発的にリモートワークが広がることがないにしても、じわじわと広がっていくだろうという見解に至っています。

ーリモートワークの導入を行う場合、どのようにしたらいいか迷う人も多くいます。リモートワークの導入方法についてはどのように考えますか?

ジョン:組織の上層部ではない一般の社員がツールを見つけ、まずは少ない人数で使用をはじめるのがおすすめです。

使用することによってツールの良し悪しがわかるので、魅力的に感じたツールのみをチームで利用していくようにすると、少ない人数の中で定着するようになります。

この時点では人数が少ないためツールを利用する金額負担が減り、自腹でも導入しやすいでしょう。

少人数での利用が定着したら、ミーティング時などに他のチームを誘ってみるようにしてください。

他のチームも新しいツールに刺激を受け、「自分たちも使ってみよう」と社内でもどんどん広がっていきます。

実際にoViceでも1,300人ほどの従業員がいる企業が導入してくれていますが、最初は50人程度から始まり、今では社内全体で利用しているようです。

ーなるほど。少しずつ定着させていくことがポイントなんですね。

ジョン:いきなり大人数で使用してもコントロールが難しく、業務に支障をきたす場合が多いです。

少ない人数から定着させることで負荷が比較的少ない状態からスタートでき、徐々に広げることによって使い方がわかっている人物も必然的に増えていくため、定着しやすい傾向にあります。

oViceを利用する場合は、できるだけ2つの環境に分かれることができる人数で始めるのが望ましいです。

同じ内容を長時間話していると疲れてくるため、他の話がしたいと考えた場合に分かれやすい人数という点から5名以上をおすすめしています。

リモートワーク導入のメリットやデメリット

ーリモートワークを導入することのメリットはどのようなことが挙げられますか?

ジョン:会議を1時間行わなくても良いという点がメリットですね。

日本では15分や30分で終わるような会議も、「1時間に決まっているから」という理由で継続していることがよくあります。

しかしリモートワークであれば会議の時間を減らしやすく、自分の時間を作れるためストレスも感じにくくなります。

さらにoViceを導入している企業の中には、「新人の教育スピードが上がった」という喜びの声をいただいています。

ー逆にリモートワークの導入によるデメリットは何ですか?

ジョン:オンラインの人と現実空間の人との間でコミュニケーションの壁が生まれやすいのではないか、という点を危惧しています。

日本のこれからの働き方として、オンラインと現実空間の人が混在する勤務環境が多くなると思いますが、このコミュニケーションの問題を解決できなければリモートワークを辞める傾向になると考えています。

弊社でも、このようなコミュニケーションの壁ができないように、デバイスを1箇所設置することによってオンラインと現実空間の人がシームレスに会話できるように開発を行っているところです。

ーそうなんですね。最後にリモートワークを考えている人向けにメッセージをいただけたらと思います。

ジョン:リモートワークの導入を考えている人は、やはり色々な課題を解決しようと考えた上で導入しようとしているのではないでしょうか。

課題について考えるのは良いのですが、解決しようと焦ってしまい、無理やり導入をしてしまうと失敗する可能性があります。

慌てて導入をするのではなく、まずは「リモートワークって楽しいよね」と感じてもらえるような環境作りから始めていくのをおすすめします。

週に1回からの利用を始めたり、少人数で始めてみたりと、従業員が困らないような形で少しずつ導入していくようにしてください。

ー本日はありがとうございました。

リモートワークを取り入れている企業は増えていますが、導入にはコツが必要ということがわかる内容ではないでしょうか。

実際に生産性が上がった、コミュニケーションが増えたという企業も多いため、リモートワークを導入するメリットは多いです。

oViceはリモートワーク以外でも使える便利なコミュニケーションツールなので、ぜひ皆さんも利用してみてください。

「リモートワーク手帳(無料)」 では、リモートワーク環境で役立つツールや改善ノウハウ、使える制度などを解説しています。仕事のオンライン化に対応するために、ぜひご活用ください。

事業承継手帳

(取材協力:oVice株式会社/ジョン セーヒョン

(編集:創業手帳編集部)