多機能なカスタマーソフトウェアでサポート業務の効率化を実現!
長引くコロナ禍の影響によって様々な業種でサービスのオンライン化が進む中、カスタマーサポートの重要性はますます大きくなっています。
顧客満足度を高めるためには、顧客の疑問や不満をスムーズに解消することが不可欠です。
今回は、カスタマーサポートの効率化を実現する「Zendesk」の特徴や機能を解説していきます。
起業家に有益な情報を徹底してお届けする「創業手帳」から、日本初のリモートワーク導入・改善のためのガイドブック 「リモートワーク手帳(無料)」 が創刊されました!リモートワーク環境での課題を解決に導いてくれる有益な情報を無料でご確認いただけます。あわせてご活用ください。
Contents
Zendeskとは?
Zendeskとは、デンマークで誕生した顧客サポートの効率化を支援するカスタマーソフトウェアです。全世界で140カ国以上、10万社以上のサービスに導入されており、日本でもCS(カスタマーサポート)業界を中心に利用が広がっています。
Zendeskは顧客からの様々な問い合わせに対応するサービスを提供していますが、メールへの対応を効率化するシステムを開発したことで世界的なシェアの拡大に成功しました。
通常は、顧客からメールの問い合わせが入るとサポート担当者が個別に対応に当たりますが、対応時のやり取りの文面や、対応後のステータスが社内で共有できていないといった担当者間の連係ミスがよくあります。その結果、すぐに対応しなければならない案件を見落としてトラブルの原因になることも珍しくありません。
Zendeskはメール対応に「チケット」という概念を導入し、こうした課題を解決することに成功しました。
Zendeskのサービス
Zendeskは、以下に掲げる8つのサービスを提供しています。
- ・Zendesk Support
- ・Zendesk Guide
- ・Zendesk Chat
- ・Zendesk Talk
- ・Zendesk Sell
- ・Zendesk Gather
- ・Zendesk Explore
- ・Zendesk Sunshine
- ・Zendesk Sunshine Conversations
Zendesk Support
Zendesk SupportはZendeskの基幹サービスです。
Zendesk Supportでは、問い合わせのメールに「チケット」という独自の識別番号を割り当てて、案件の状態を管理することができます。
問い合わせのメールを「自分が担当しているチケット」「対応が必要なチケット(新規・オープン)」「返答待ちのチケット(保留中)」「解決しているチケット」などに分類することで、自分が対応すべき案件が一目でわかるのがチケットの利点です。
Zendesk Supportは顧客の問い合わせメールを受信すると、最初に「対応が必要なチケット(新規・オープン)」フォルダに収納します。(最初に収納するフォルダは設定で変更できます)
問い合わせに対応する担当者は「オープンとして送信」「保留中として送信」「解決済みとして送信」のいずれかを選択してからメールを返信します。
問い合わせが解決した場合は「解決済みとして送信」を選択してメールを送信すると、「対応が必要なチケット(新規・オープン)」フォルダから「解決しているチケット」フォルダにチケットが移動します。
「対応が必要なチケット(新規・オープン)」フォルダには未解決の問い合わせだけが残るため、対応が必要なチケットと対応済みのチケットが混ざる心配はありません。
回答として返信したメールはテンプレートに保存しておき、類似の問い合わせがあった際にテンプレートを使用してすぐに返信することも可能です。
Zendesk Guide
Zendesk Guideには、FAQサイトを簡単に構築できるヘルプセンター機能があります。
よくある質問への回答をブログのように投稿することができるため、問い合わせが急に増えた項目についても素早い対応が可能です。
デザインのテンプレートが複数用意されているので、 自社のブランドイメージに合ったFAQサイトを簡単に作成できます。
ほかにも、ユーザー同士で質問や意見交換ができる「オンラインコミュニティ」や、自分が投稿した質問への回答状況の確認や質問履歴を管理できる「カスタマーポータル」が利用できます。
Zendesk Chat
Zendesk Chatは自社で管理しているウェブサイトにウィジェット(※)を埋め込むことで、訪問者とリアルタイムチャットができるサービスです。
滞在時間などの条件を設定すると、サイトの利用方法がわからずに困っていると思われる訪問者に向けて自動的にメッセージを送信できます。
※ウィジェット…Webサイトの画面上で使用できるシンプルな機能を持ったアプリケーションソフトのこと
Zendesk Talk
Zendesk Talkは、Zendesk Support上で電話を受発信することができるサービスです。
Zendesk Talkを利用すると、通話の内容がチケットとして書き出されるため、メール以外の問い合わせについてもマルチチャネルに対応できます。通話録音機能も付いているので、相談内容を後で確認することができます。
Zendesk Sell
Zendesk Sellは、問い合わせのあった顧客の中から商談に結びつきそうな顧客を営業担当に引き継いで成約を増やすためのシステムです。
顧客データが自動的に記録されるため、「営業担当者とサポート担当者の間で情報が共有されていない」といった問題が起こる心配はありません。
また、既にZendesk以外のMailchimpやPandaDocなどの営業支援ツールを利用している場合でも、Zendesk Sellと連携して商談に関連する情報を確認することができます。
Zendesk Gather
Zendesk Gatherは、顧客同士で質問や対話をすることができるオンラインコミュニティです。顧客自身が、オンラインコミュニティに投稿した質問への回答状況や過去の質問履歴を一元管理するカスタマーポータル機能もあります。
顧客同士が交流するオンラインコミュニティに不安を感じる方もいるかもしれませんが、サポート担当者が対話に参加することができるため顧客では解決できない問題にも対応可能です。コミュニティマネージャーを指定して議論が脱線しないように管理する機能もあるので、安心して利用できます。
Zendesk Explore
Zendesk Exploreは、Zendeskの各サービスのデータを分析してレポートを作成することができるサービスです。
これまでに紹介してきたサービスを組み合わせて利用する場合は、このZendesk Exploreを使ってそれぞれのデータを総合的に分析し、サポート業務の最適化を図るとよいでしょう。
Zendesk Sunshine
Zendesk Sunshineは、CRM(※)プラットフォームをカスタマイズして開発できるサービスです。
従来のCRMプラットフォームはパッケージで販売されているため、利用できる機能に拡張性がありませんでした。
Zendesk Sunshineは、自社の提供サービスに合わせてプラットフォームをカスタマイズしたりオリジナルアプリを開発したりすることができるので、サポート業務の効率化や顧客ニーズの的確な把握が容易になります。
※CRM…「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」の略。顧客との良好な関係を維持・管理するシステムのこと
Zendesk Sunshine Conversations
様々なWebサイトやソーシャルチャネル上のメッセージを統合して、顧客と直接対話が行えるAPIベースのプラットフォームです。
Zendesk Sunshineの新機能ですが、日本ではまだ提供されていません。
Zendeskのメリット
Zendeskを導入するメリットは以下のとおりです。
・サポート業務の効率化
・ノウハウの蓄積
・ユーザーの集合知が利用可能
・カスタマイズによる拡張性の高さ
Zendeskを利用すると担当者間でサポート状況のステータスを共有できるため、顧客への対応が素早くなります。
また、Zendesk Supportの社内メモ機能を使って、新人のサポート担当者の教育実習を行うことも可能です。
新人担当者が作成した回答と社内メモをベテラン担当者がチェックし、新人担当者に回答の修正例や改善点をフィードバックして次回の問い合わせ対応に活かすことができます。
これまで見てきたようにZendeskにはサポート業務の効率化やノウハウの共有など、カスタマーエクスペリエンスの向上に役立つ機能が揃っています。
Zendeskのデメリット
Zendeskのデメリットは以下のとおりです。
・一部サービスが日本語に対応していない
・シンプルだがUIが古い
Zendeskの提供サービスの中にはまだ日本語へ対応していないものもあり、一部の機能を利用することができません。
インターネット上に投稿されたユーザーの感想の中には、「シンプルな見た目で使いやすいが、UIが古い」という声もありました。
Zendeskのプラン・料金
プラン | Essential | Team | Professional |
---|---|---|---|
特徴 | ・メール & ソーシャルメディア ・埋め込みウィジェットとモバイルSDK ・事前定義済みのビジネスルール ・顧客情報カード ・対応の履歴 |
Essentialの全機能に加えて以下を利用可能 ・ビジネスルールのカスタマイズ ・パフォーマンスダッシュボード ・公開アプリ、公開インテグレーション |
Teamの全機能に加えて以下を利用可能 ・コンテンツの多言語対応 ・顧客満足度アンケート ・Zendesk Exploreのダッシュボードとレポート生成 |
価格 | $5/1ユーザーあたり | $19/1ユーザーあたり | $49/1ユーザーあたり |
プラン | Enterprise | Elite |
---|---|---|
特徴 | Professionalの全機能に加えて以下を利用可能 ・複数のチケットフォーム ・適切なスキルを持つエージェントへの自動割り当て ・役割に応じたワークスペースのカスタマイズ ・顧客満足度予測 ・複数ブランドの運用 ・Sunshineによるカスタムオブジェクト |
Enterpriseの全機能に加えて以下を利用可能 ・ライトエージェント無制限 ・99.9%の可用性をSLAで保証 ・1時間のサービスレベル目標 ・高度なセキュリティ ・データセンター所在地の選択 |
価格 | $99/1ユーザーあたり | $199/1ユーザーあたり |
※Zendesk Supportの料金表のみ掲載
Zendeskの料金プランは、利用するサービスの組み合わせによって金額が異なります。
Zendesk Supportが基幹サービスとなっているため、導入する前に自社の作業環境に合わせて必要なサービスの組み合わせを検討するとよいでしょう。
Zendesk Supportを申し込むと、すべてのプランにGuide、Chat、TalkのLiteバージョンが付属します。
すべてのサービスに無料トライアルが用意されているため、試用してから購入を判断するのもよいでしょう。
まとめ
Zendeskはサポート業務を効率化するだけでなく、様々なチャネルで顧客と密接なコミュニケーションが行えるカスタマーソフトウェアです。
オンラインサービスの普及が進む現代において、カスタマーサポート業務の重要性はますます高まっていくことが想定されます。カスタマーエクスペリエンスを向上してリピート顧客を獲得するために、Zendeskの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
「リモートワーク手帳(無料)」 では、リモートワーク環境で役立つツールや改善ノウハウ、使える制度などを解説しています。仕事のオンライン化に対応するために、ぜひご活用ください。