こんにちは。株式会社ニットの小澤美佳です。
私が働いている株式会社ニットは「未来を自分で選択できる社会をつくる」をビジョンに掲げ、創業時からフルリモートを前提としたマネジメントを実施しており、現在400名のリモートワーカーが在籍しています。
新型コロナウィルスの感染拡大の影響で「テレワーク」という言葉が当たり前になり、多くの方が経験したと思います。私たちニットの知見・経験を踏まえて、日本の働き方の未来はどのように変化するかをお伝えしたいと思います。
皆様にとって、少しでも今後の働き方を考えるきっかけになればと思います。
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2008年に株式会社リクルートへ入社。10年間、HR一筋。中途採用領域の代理店営業、営業マネージャーを経て、リクナビ副編集長として数多くの大学で、キャリア・就職支援の講演を実施。採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。2018年 中米ベリーズへ移住し、現地で観光業の会社を起業。2019年にニットに入社し、営業・広報・人事を経験後、現在はオンラインファシリテーターとして活動中。 オンラインでのセミナー講師やイベントのファシリテーターを多数実施。株式会社ニット ホームページ
https://knit-inc.com/
コロナにより「テレワーク」が普及する
冒頭にお伝えした通り、新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけに、テレワークをしている人は増えています。
ある調査(※1)ではコロナ後にテレワークを実施した企業は約64パーセントにもなるそうです。1月に同調査を実施した際は約25%の実施率だったので、約40%近くも増加したことになります。
(※1)参考URL:https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1269566.html
また今回、Twitterで「新型コロナウィルスの終息後の働き方」についてアンケートをとってみました。
アンケートの結果から、テレワーク(リモートワーク)をし続けたい人(基本リモートワーク+時と場合によってはリモートワーク)が80.1%という結果である通り、テレワークを希望する人が大多数ですよね。緊急事態宣言をきっかけに働き方の意識が大きく変わってきたのではないかと思います。
しかし、「初めて導入したけど、結構うまく行ってる!」「やはり出社しないと仕事が進まないし、上手くいかないなぁ。」と、テレワークの導入後は企業の二極化が進んでいるのではないかと思います。
では今後、日本の働き方はどのようになっていくと思いますか。世の中の働き方の変化から皆様ご自身の働き方について一緒に考えていきましょう。
テレワークを通して見えてきた課題
新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、多くの企業が半ば、強制的にテレワークを導入せざるを得ない状態になりました。
それに伴い、様々な問題が発生した企業も多いのではないでしょうか。例えば、部下や組織のマネジメント、仕事の受け渡し方、会議方法、新人研修など、「対面なら上手くいったのに!」と思った方も多いのではないでしょうか。
ただ、テレワークを導入して1ヶ月以上経っても、未だ継続している問題があれば、もしかしたらそれはテレワークが原因ではないのかもしれません。
もちろん、業種や職種によって、出社しないと出来ない仕事もたくさんあります。しかし仕事のスタイルが「パソコンに向かう」「人とコミュニケーションする」ということが多い場合は、テレワークで完結できます。
ではなぜ上手くいかないことがあるのでしょうか。テレワークをきっかけに「マネジメント」について考えを改める必要があると考えています。
ー変わるべきマネジメント方法ー
まずはこれからのマネジメントについて考えてみましょう。
テレワーク導入前は、「9時から17時まで働く=仕事」とか「机に向かっていること=仕事」というような状態であった企業も多かったと思います。しかし、時間やマネジメントの考え方を変えないと、テレワーク本来の魅力である【時間の柔軟性】や【自分らしい働き方の選択】が出来ないと思います。更には、【逆に生産性が悪くなる】というリスクもあります。
ではこれからのマネジメントでは何が重要になっていくでしょう。それは「ITリテラシーを駆使しながらのマネジメント力」です。テレワークでは時間で管理するのではなく、成果で管理することが大事です。長時間勤務をしている人が成果を出しているわけではないのです。
テレワークの先を見据えた日本の近未来を考える
ー世の中の変化、働き手の変化ー
総務省の人口動態調査によると(※2)日本の人口は11年連続で減少しています。労働力不足、出生率低下、過疎化…など、今後も「働き手がいなくなる問題」と「都心とエリアの格差問題」が併せて発生しています。
(※2)URL:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62318650V00C20A8MM8000/
そのため、今後の10年~30年後を見据えて、「女性」「シニア」「若手」「障がい者」「外国人」「地方在住者」など、全ての人が働きやすい環境を創っていくことこそ大事であると考えられています。
このような日本の未来の問題を解決する手段の一つが、「テレワーク」。私たちニットも「多くの人がテレワークで働けたら、様々な理由でキャリアを断絶しなくても良い社会になる」という概念で、これまでメンバー全員がテレワークというスタイルで運営してきました。
また、BCP対策(予測不可能な緊急事態が発生した際に取る施策)としても、企業運営を滞らせないための行動として、テレワークは大変有効です。
今回の新型コロナウィルスだけでなく、今後もし、地震、津波、大雨、大雪などの自然災害や事故、停電など、予測不可能な緊急事態に見舞われた際に、重要業務の被害を最小限に抑えることができます。
したがって、今回の新型コロナウィルスをきっかけに、テレワークを上手く導入できるか否かが、会社運営の大きなカギを握っていると言っても、過言ではありません。
ー信頼をベースにした会社運営・企業へー
では、今後、企業と個人の関係はどのようになっていくでしょうか。
世の中の流れ、テレワークをはじめ、副業などの様々な働き方が増えてきたことから、これからは企業と個人がフェアになると考えています。
つまり、「企業が個人を選ぶ」のではなく、「個人が企業を選ぶ」時代になっていくのではないかということです。終身雇用制度が崩壊に向かっている昨今、企業が雇用で縛り付けるのではなく、「人と企業が信頼をベースに、対等な契約を結ぶ」という概念になっていくと
考えています。
以下は、あくまでも私の仮説です。
◆これからの会社運営
①事業自体を完全テレワーク
②一部の事業をテレワーク
・テレワーク出来る職種はテレワーク、出来ない職種は出社のハイブリット
・その日の業務内容や本人の希望によって出社とテレワークを選択できる
③全員出社(今まで主流だった方に戻る)
・①はカルビー株式会社が新型コロナウィルスの感染拡大後をきっかけにモバイルワークの標準化とフルフレックス導入を発表されたように(※3)、「テレワークでも仕事ってきちんと成り立つよね」と気付いた企業様も多く、今後はさらにテレワークを標準化する企業が増えると思います。
(※3)URL:https://www.calbee.co.jp/newsrelease/200625b.php
全体を通してみると、②が増えると考えています。「会社としてテレワーク推奨」を宣言し、テレワークできる仕事か否かで分け、本人がテレワークするかしないかを選択できるハイブリット型が増えると思います。
③とはいえ、構造上テレワークができるとしても、それを選ばないと判断をされる企業様も
一定数いるはずです。
上記をふまえ、最終的には企業の在り方が二極化していくと考えています。
「積極的にテレワークを導入しているか、否か」です。
もちろん、業種や職種によっては、テレワークが難しい企業もたくさんあります。しかし、「テレワークで仕事ができる」ということが証明された今、「出来る限り、テレワークを推奨しているか?」「テレワークを柔軟に取り入れているか?」といったことが、会社のイメージや採用の際にも、影響するかもしれません。
また導入後の運用やマネジメント方法なども今後は注目されていくと思います。
どの企業も試行錯誤しながら自分の会社にあった方法を見つけていくのではないでしょうか。
会社の特徴に合った働き方を見つけよう
「企業として、どれくらいテレワークを推進していくのか?」ということは、今、まさに、経営判断する重要な局面ではないかと思います。
会社の業種や仕事内容、社員の属性など1つ1つの会社で状況は全く違います。だからこそ「他の会社とは異なるけど、自分たちの会社はこういう働き方にしよう」と経営者が改めて自分の会社を見つめなおすことが大切です。
世の中の流れ、そしてマネジメント方法の変化も見つめながら少しでも皆様の働き方が良い方向に変化していけることを願います。
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